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対談動画「フィリピンの『笑い』からケアを考える」フィリピン詩人パオロ・ティアウサスさん×美学者・伊藤亜紗さん対談

台風シーズンになると豪雨によって洪水がたびたび発生するフィリピン。

ひとたび災害級の大雨になると、ニュースやSNSなどのインターネット上には、洪水のなかで泳いだり飛び込んだりして遊ぶ市民の映像がかけめぐります。避難所ではビューティーコンテストが開かれ、自宅から非難を余儀なくされた人々が大盛り上がり。災害という困難な時にあっても「笑い」ながらやり過ごすフィリピン人の姿に、私たちも思わずつられて笑ってしまいます。しかしなぜ、フィリピンの人たちは苦難や困難を前にしても笑うことができるのでしょうか。フィリピン人の「レジリエントな(打たれ強い)」気質として語られる一方、行政や政治家はときに「市民は笑っているから大丈夫」と災害対策の不備への言い訳にも利用します。
フィリピン文学界最高の栄誉と言われるカルロス・パランカ記念文学賞受賞詩人であるパオロ・ティアウサスさんは、フィリピンにおける「笑い」をテーマとした詩作に取り組まれてきました。本対談では、パオロさんと美学者の伊藤亜紗さんがフィリピンにおける「笑い」と「ケア」を巡って対話しました。(本対談は2024年10月に行われました。)

本対談動画は日英字幕が利用可能です。動画の設定メニューより選択できます。

パオロ・ティアウサス Paolo Tiausas

フィリピンの詩人、パフォーマー。著書に、第22回マドリガル・ゴンザレス最優秀デビュー作品賞の最終候補作となったLahat ng Nag-aangas ay Inaagnas (2020) [すべての男の結末] 、Tuwing Nag-iisa sa Mapa ng Buntong-hininga (2021) [ため息の地図の中で孤独になったとき](フィリピン大学出版)。それぞれ第39回、第40回のフィリピン図書賞にノミネートされ、 後者は第40回最優秀フィリピノ語詩集部門賞を受賞。2021年フィリピノ語委員会により「今年の詩人」に選出。フィリピン文学界最高の栄誉と言われるカルロス・パランカ記念文学賞受賞。詩人のニカイ・パレデスと共同で、フィリピンの詩人を対象とした年2回発行のオンライン・ジャーナル、TLDTD(tldtd.org)を創刊、運営している。

伊藤亜紗 Asa ITO

美学者。東京科学大学未来社会創成研究院DLab+ディレクター、リベラルアーツ研究教育院教授。MIT客員研究員(2019)。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文転。2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専門分野博士課程を単位取得のうえ退学。同年、博士号を取得(文学)。主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)、『手の倫理』(講談社)など。第13回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、第42回サントリー学芸賞、第19回日本学術振興会賞、第19回日本学士院学術奨励賞受賞。